アメリカでお茶をいれる人のブログ。

by natural yellow woman. 日本茶インストラクター16期。福岡出身で八女茶をこよなく愛しております。カフェインに弱いのがたまにキズ。San Francisco(というよりは)East Bayでふざける人の日記。

映画"悪人"を見て、泣きじゃくったよ。

久々にテレビで映画を見ました。

(そもそもDVDすら借りにいかないので3年ぶりくらい)

映画館で見るかどうか悩んでたら終わってた作品。

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感想は…

映画館で見なくてよかった!!

 

しゃくり上げて泣いたがな(笑)

 

あらすじは、ここを見てくださいね。 以降はネタバレです〜。

 

「本気で出会い系のメールをした」不器用な二人。

不器用さが日常の閉塞感を際立たせている気がしました。 九州の田舎は本当にそんな感じする。

ラベルで人をわけ、他人より優位に立ちたかった女性。

優位に立っている状態で過ごしてきて大事なことをわかっていない男性。

殺されたわが子が出会い系をしていたことにショックを受ける両親。

どうしても許せない、復讐をしようと立ち上がる父。

母の代りにちゃんと育てたつもりだったのに、あの子を思い続ける祖母。

観客は登場人物全員の立場を観ることができるってのが面白かった。

いやー、祐一(つまぶき君)の気持ちもわかるし、 光代(深津さん)の気持ちもわかるし…。あーもうっ。

 

それにしても、増尾役と殺された佳乃役のふたり、演技が素晴らしかったなあ!

ベテランより自然だった気がします。

 

佳男(柄本さん)のセリフがうちの心を揺さぶったばい。

 

「あんた、大切な人はおるね? その人の幸せな様子を思うだけで、自分まで嬉しくなってくるひとは」

 

「今の世の中大切な人もおらん人間が多すぎる。自分には失うものがないち思い込んで、それで強くなった気になっとう」

 

「だけんやろ、自分が余裕ある人間と思いくさって、失ったり欲しがったりする人間を馬鹿にした目で眺めとう」

 

「そうじゃないとよ。それじゃ人間はダメとよ」

 

それから以降、号泣です。(20分間くらい…おえっくおえっくなってましたー)

 

祐一が光代の首を絞めたのは、それ以外ないよ、と納得。

彼女にこれからの人生を普通に過ごしてもらう&自分を吹っ切ってもらうには、自分を悪人にするのが最善の方法だもんなあ…。

最後に 佳男が手を合わせている姿をみて、光代が「あの人(祐一のこと)は悪人なんですよね」とぽつり。

一緒に過ごしたあの人と、

一般で言われる犯罪者のあの人と、

遺族を悲しみに陥れているあの人が全て同一人物だとは思えないという気持ちだったのかなあと。

二人で夕陽を見た光景でこの映画が終わったことからも、 美しい純愛で終わらせましたよね。ちゃんと大衆向けのラストです。

小説ではまた違っているみたいで、 またいつも通りの生活に戻った深津さんは彼の証言を振り返り、 「あの人はやっぱり悪人だったんだ」という気持ちがわき出て…。(らしい?)

燃え上がるような恋愛が終わった女は、魔法がとけたように冷めていく、その有様。

ああ、リアルだな、そうだよなーって。そこが描写されて面白いなーと思いました。

 

最後に、誰が一番悪いか考えてみたんだけどね。答えは出ませんでした。

誰の中にも悪人はいて、たまたまきっかけでそうなったとしか思えん。

 

「悪人正機」という言葉を思い出した映画でした。